目次
ユニクロのビジョン
服を変え、常識を変え、世界を変えていく
柳井さんのリーダーシップ下で、2020年の売上5兆円を実現するぞと走りぬいた結果、 な、なんと、今後国内年率5%、海外年率25%、GU年率37%の成長が続けば、3兆円達成が見えてきた。
百貨店業界の全売上が6兆円とか言っているわけだから、アパレル企業で、この成功は半端ない。
今や世界で第2位か3位のアパレル企業となった。
最近の柳井さんのコメント抜粋↓
「服とは情報。お客様は情報に反応し、買い求め、情報を身に着け、情報に満足する。」
「最高の情報を収集し独自の視点で編集し、最速で店舗や商品と一体化し提供できない企業は成功できない。」
「小売りからマーチャンダイジング、マーケティングの会社へ」
「情報発信製造小売業への進化」
「商品そのものがいい。その商品がもつ情報が自分にとって有益だと思えること。そこに広告などで伝わる商品のイメージが加わる。」
「ユニクロの生き方を理解してもらい、ユニクロだから買いに行こうと思ってもらう。」
生産性の高い店舗運営
店舗の採算性を重視し、国内店舗数を減らしているものの、1店舗あたりの売り場面積は増加し、月坪当たりの売上増となっている。(2017年度)
店舗数縮小 853-→831店舗
売上面積拡大 247坪ーー>269坪
月坪あたりの売上高増 26万2000円ーー>28万5000円
ネット売上
ネットからの売上(その比率)は意外に少なく、全体の6%。
2013年 240億円(全体の3.5%)-→ 2017年 480億円(全体の6%)
6%とは少ない。もう少し多いのかと思っていた。
あれだけ店舗があると、ネットでは買わないと言うことか。だが、もう少しネットでの売上増を考えてもいいような。つまり、誘導が弱くて、情報見て、店舗へ行ってねというタイプのデジタルのチャネル戦略だと言える。
ネットの売上を30%にすることは、将来的に見込んでいるらしい。
が、それも世の中の流れとしてそうなる。くらいの発言。
IR資料では、スマホアプリの充実、情報発信、在庫のある近隣店舗への誘導、コンビニ受取などが記載されていたが、まだまだユニクロなら、O2Oでできることがあるはず。
ユニクロブランド
ユニクロは、顧客のセグメンテーションをおこなわず、全人類を相手にしている。子供からシニアまで、ユニセックス、世界すべてをカバーしていこうとしている。
それゆえ、70億人近くが最大のポテンシャルカスタマーとなる。まさにMade for Allのグローバル戦略が着実に進んでいる。世界品質宣言(脱低価格宣言)をおこない、安さから脱却し相対的に良い服から絶対的に良い服へ。
立ち上げ当初は衣料ディスカウンターのイメージが強かったが、1999年に山崎まさよしを使ってワイデン+ケネディ社がフリースのCMを制作し大ヒット。ユニクロは安いけど、結構おしゃれじゃないかとイメージづくりに成功する。その後2006年には佐藤可士和を起用しユニクロストーリー、ユニクロックの大ブレークのあたりからユニクロブランドが見事に形成され、ユニクロはかっこいい印象となる。
現在はジョンCジェイがグローバルブランドを統括
売上高にしめる広告宣伝費は4.6%と、一般的企業の広告費1-3%と比較すると高い。
世界を変える事例
発展途上国との取り組みとしてバングラディシュのモデルケースがある。
バングラディシュ 貧困層向け融資をおこなうグラミン銀行(ムハマドユヌス総裁)との提携。
同国で衣料を製造販売するグラミンユニクロを2010年に設立
社会貢献、雇用を生み出す
世界40億人貧困層問題解決のモデルとなるはず。
有明プロジェクト
数年前に有明にすべての部門を集結し物流革命進行中。
SPAによる一気通貫した物流システム
つくったものを売り切るのではなく、売れるものをつくるへ変革中
バーチャルとリアルが融合した新しい小売りの時代へ突入
ユニクロの商品
相対的に良い服ーー>絶対的に良い服
価格から、機能、品質、デザインの付加価値への移行 Quality/Price
潜在ニーズを顕在化させ市場創造してきた。
次世代素材開発プロジェクトとしてヒートテック(機能性肌着、東レ)は、約3億枚の販売枚数を記録した超メガヒット作である。
進化しつづけ、発熱、保温からスタートし、抗菌、ドライ、保湿、ストレッチ、静電気防止、形状保持、消臭、軽量化など、次々に改良を重ねる。
すべての正解は現場にある。(日本の接客、顧客サービスを海外へ)
B2B企業がB2C志向に。真の顧客は消費者だという意識革命
エアテック、ドライTシャツ、ブラトップ、フリース、マシンウォッシャブルセーター
シーズンに展開する商品は500品番(デザインや柄などの最小単位)
中国製造約8割。70社のパートナー工場と匠30人
リスク軽減のためその他のアジアへ徐々にシフト
世界的企業成功例
使い捨てファッションの顕在化(H&M、フォーレバー21などのファストファッション)
生活提案型持ち帰り家具(イケア)
会員制ホールセール倶楽部(コストコ)
桁違いに安い(GU)
ユニクロの世界戦略
日本だけで売れる服は今後日本でも売れなくなるだろう
海外戦略
グローバル旗艦店(フラッグシップストア)
その後の戦略はまだ試行錯誤
中国、アジアでトップを取る
商品の効率をあげる
各国の商圏の独自の深堀戦略、新たなマーケティングと商品政策
売上と利益の変遷
2兆3000億円を着実にこなし、そして3兆円へ挑戦する!!
各セグメントの店舗数、売上、利益
海外といってもほとんど中国の伸びがすごい。そしてGUもがんばっています。
2019年8月期上期資料より | 店舗数 | 売上収益 (億円) |
営業利益 (億円) |
国内ユニクロ | 825 | 4,913 | 876 |
海外ユニクロ | 1,311 | 5,800 | 886 |
GU事業 | 408 | 1,171 | 141 |
グローバル事業 | 991 | 777 | 32 |
合計 | 3.535 | 2,3000 | 2,650 |
世界のアパレル企業
ZARA 95ヵ国で2.2兆円(スペイン306店舗、海外94ヵ国1812店舗)
H&M 40ヵ国で1.4兆円
ユニクロ 18ヶ国(国内831店舗、海外17ヵ国1089店舗)で1.5兆円
アメリカ、中国、日本、スペインのGDP、人口、アパレル市場規模(ユーロモニター資料)
12週間の平均販売期間 あらかじめ隔週の販売計画を立て、その乖離に対して生産を決める。